理事長挨拶
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学校法人 名古屋電気学園
理事長後藤 泰之
学校法人名古屋電気学園は、大正元年(1912)、「技術者の育成」を目的に名古屋市で開校した「名古屋電気学講習所」(間もなく「名古屋電気学校」に改称)に始まります。
創立者の後藤喬三郎先生はいち早く工業化社会の到来を予測し、そのエネルギー源としての電気に着目して、産業界の要請もあり、名古屋電気学講習所を創立、「企業の第一線で活躍する技術者の育成」を建学の精神とし、当時、喬三郎先生が生徒に語った「誠実の人、努力の人、素直な人となれ」が、現在の名電中学校、高等学校の校訓「誠実・勤勉」となりました。
昭和29年の「名古屋電気短期大学」の設立を経て、昭和34年には中部地方初の工科系単科大学「名古屋電気大学」(翌年「愛知工業大学」と改称)に発展、当時の理事長である後藤鉀二先生は、「自由・愛・正義」を大学の建学の精神と定め、創造力のある愛と正義の人の育成を目指しました。鉀二先生は「自由」は必ず責任を伴うが「自由」なくして創造はあり得ない。「自由」の存するところに無限の発展が約束される。「愛」は太陽の如く、万物を育成する。人類は明るく平和な社会の建設をめざして努力する。「正義」は倫理的真理の結晶であり、百事貫徹、安心立命の基礎をなす、としました。
その後、前理事長の後藤淳先生が学園のモットーを「創造と人間性」として、科学技術の発展のみに邁進するエンジニアではなく、人と地球に優しい血の通ったエンジニアを育てることを旨としました。
学園は、現在もまた今後も、大学を中心に4校の設置校の一貫教育を進め、工科系の総合学園として進化を続けてまいります。
そのためにも、私は平成16年に学長、平成28年に理事長に就任して以来、「チャレンジする君を応援します」を標語に、「豊かな人間性とチャレンジ精神」を併せ持つ人材の育成を目標としてきました。この挑戦力は、ものづくりへの情熱、Power to CREATEにより、好奇心をエネルギーとして高めていきます。本学園は、すべての学生・生徒にエンジニア&クリエイターへの道を開き、バイタリティーあふれ、チャレンジ精神を持った者を応援していきます。
私は、「企業の第一線で活躍する技術者」は豊かな「人間力」と高い「技術力」を持つ者と考えます。「自由」による「創造」が高い「技術力」を生み、「勤勉」が発展させます。私は「チャレンジ精神」でそれを一層高みに育てたい。そして「人間力」は、中学校、高等学校では「誠実」に、研究を始める大学段階では、人と地球への「愛」と「正義」、即ち「人間性」となると考えています。
このように本学園は、これからも社会、企業の第一線で活躍できる人間性豊かな優秀な人材を一人でも多く育てるよう、社会のニーズに対応した実践的な教育を推進し、「選ばれる学園」「社会から必要とされる学園」となるよう努めてまいります。
さらに、私はものづくり教育こそ学園の基本とすべく、この目標・理念を実現し、さらなる発展を目的として、学園の経営方針の3つの柱、「教育ビジョン」、「研究ビジョン」、「社会貢献ビジョン」を策定しました。
「人間力」がものづくりを支える人を育てる「教育ビジョン」を、「技術力」が研究成果を発信できる人を育てる「研究ビジョン」を導き、学園は地域社会の産業、文化の発展に貢献する「社会貢献ビジョン」を実施します。
そしてこの三つのビジョンを実現するため5つの重点戦略を定めました。
「教育ビジョン」「研究ビジョン」を実現する戦略として、学生・生徒の確保を行う「入学戦略」、学生・生徒の満足度を向上させる「教育改革・学生支援戦略」、経営基盤を強固にする「経営基盤強化戦略」、キャンパスを魅力あるものにする「キャンパス整備戦略」を進めます。
そして「社会貢献ビジョン」の実現のため、名古屋市、豊田市、瀬戸市、他のエリアに地域貢献を目指す「地域連携戦略」を実施します。
これらを基本に、私は令和元年10月に「第Ⅰ期中期経営計画」を策定し、令和3年度にその検証を行い、令和6年4月には「第Ⅱ期中期経営計画」を策定いたしました。これからの創立120周年、130周年、さらにその先へ向けて、私は学園が目指す具体像を確実に実現していきます。
今後一層のご指導、ご支援を心からお願いいたします。